ロンドン=近藤雄二】スポーツ仲裁裁判所(CAS)は10日、国際オリンピック委員会(IOC)によりドーピング違反とされ、2008年北京五輪の陸上男子ハンマー投げの銀、銅メダルをはく奪されたワジム・デビャトフスキー、イワン・チホンのベラルーシ2選手に対し、処分撤回の訴えを認める逆転裁定を下した。
裁定は2選手にメダルを返還するよう求めており、5位からの繰り上がりでIOCから銅メダルを受けた室伏広治選手(ミズノ)はメダルを失い、当初の5位が確定する。 ベラルーシ選手は、競技後の検査で男性ホルモンのテストステロンに陽性となったが、北京の薬物検査機関の手順等に不備があったと主張し、CASがこの訴えを認めたもの。室伏選手がメダルを失うと、北京五輪での日本のメダル総数は25となる。室伏選手は04年アテネ五輪で、ドーピング違反による繰り上がりの金メダルを獲得している。
2010年6月11日 読売新聞 |